プログラミングのテキスト

現代のプログラミング言語についてはWebにオフィシャルのドキュメントを整備しているため、プログラミングに関しては一般のプログラミング書籍は不要であると考えている
大抵は質の悪い劣化コピー(模造品)と成り下がるからだ

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例えば、Python言語はdocs.python.orgが公式ドキュメントである。
従って、Googleで検索するときには検索演算子"site:"を使ってアドレスを指定すればよい。
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任意の検索ワード site:docs.python.org

オフィシャルドキュメントから読み解ければ、これ以上、力強い味方はいないだろう
誰もが行き当たる問題はStack Overflowやgithubのissueに書いてあるし、どこかのblogに書いてあるので事が足りる
そして、ChatGPTの出現により圧倒的に本を開く回数は減った。余談だがChatGPT含め不正確な場合はあるので個人の判断に委ねられる部分はある

いずれにしてもドキュメントから学ぶ力を身に付けられれば一般的な書籍は不要だ

特にトレンドの情報は常に更新されるので今日、出版された本は明日には古い本となり価値がなくなる
最悪、仕様変更により使えない非推奨となるコードも出てくることもあるだろう
恐らく、価値があるとすればドキュメントによらないこと、書かれていないこと、何か独自性のあること(その人の実体験、実際のコードなど)については書籍等の形にしても意味をなし検討する余地が出てくると思うが、残念ながらその手の本に出合えることは少ない

これは、実際のコードを書く状況にあるときほど切実な問題となる
もちろん、知らないこと(知覚していないことは検索できないため)に出会える可能性もあるだろうが、
そのコードに価値を見出せないと使わないし、もし、教養としてドキュメントを読むときには出合えるのではないだろうか?

あなたは、何を書籍に求めるのだろうか いくつかレイヤーがあると思っていて、下から上に登ってきた方が迷いは少ないのではないだろうか

  • プログラミング言語を知りたい
  • プログラミングの書き方を知りたい(非言語依存)
  • プログラミングよりも上のレイヤーで情報処理(概念/教養)について学びたい
  • 情報処理の前にヒューマン、ビジネスを学びたい

結局、書籍に書いてあった内容を集合知として得たこと、何よりも現場での仕事で現実味や意義を持たせたことを考えると非常に紹介が難しい。
これ一冊、読めばいいというのが中々ない。出版社が意図的に出版しているのではないかとすら思えてならない。現場レベルでは使えないテキストも多かった。
つまり、技術から仕事に使うことを考えると、

  • 仕事で使える技術を知りたい

という別な欲求が出てくるのだが、技術ファーストで物事を考えたらとても苦労したので取り扱わない。
それは別のベクトルからの攻め方であり選択してはいけないということではないが、本来であれば技術を学ぶよりも先に学んだ方がいい話題と考えている
技術を活かすのは「情報処理の前にヒューマン、ビジネスを学びたい」がクリアできての話なのだ。何よりも優先的に学んだ方がよかったと今更ながら実感しており苦労している。

以上から人によっては余裕がないのは承知の上で学ぶ上では一旦、仕事から切り離して考える

今回は、2つ目~3つ目に近いレイヤーについて学ぶとしたら一般書籍よりも教科書をオススメしたい
(なぜ、学ぶのかは自問自答して書籍を選ぶときに満たせそうか考えてほしい)

理由は一般書籍よりは不特定多数(専門識者含む)による内容の学術的な公平公正、正確性を期待できると思うからだ
教科書の巻末を見ると編集にあたり学術関係者等の名前がずらりと並んでいる
教科書検定が存在するので、テキストとしてのハードルもある

 文部科学省は、あらかじめ検定における審査の基準として義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準を定め、これを告示しています。検定における教科書の審査は、この検定基準に基づいて適正かつ公正に行われています。検定基準は、検定審査の基本方針である総則のほか、各教科共通の条件と各教科固有の条件とから構成され、それぞれの条件は「基本的条件」「選択・扱い及び構成・排列」「正確性及び表記・表現」などの観点に整理して示されています(教科用図書検定基準参照)。

教科書検定の方法

教科書は個人でも買うことが出来る
基本は学生が優先であるのだが、幸運にも手に入れられるのであれば検討してもよいだろう
詳しくはよく調べてみてほしい

全国教科書供給協会とは

購入前はパッと見たところ、東京書籍の情報Ⅱ(令和6年度版)が気になるところだった
https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/hs/joho/16652/

実際に情報Ⅱを読んでみたが、教養として学ぶのであれば、どの教科書も比較的分かりやすかった
情報Ⅰを基礎と捉えれば、情報Ⅱは発展的、応用的な話題と言える

こちらはプログラマの仕事をしてきたことから、まったくの初学者ではないことに注意が必要である。

逆に初学者(社会人)の場合は、ただ、読んでも何の意味が?と疑問を持つ可能性は多いにある。益を見ないで、教養として浅く読むことをオススメする。

また、ITを経験していない教師は自身が実感が湧かない分野もあるだろうから大変かと思う
生徒に教えることを仕事にしているとはいえ、教えることが何のためにあるのか?何に使われているか?何の役に立つのか?問われたときに説得力のある回答が難しい。
本当はそういう経験があると自信を持って意義や感想を答えられるのだが。全員が全員、経験者ではないだろう。
一方で仕事にしてきた人達も必ず全ての分野に携わってきたわけではないので、現場の知識(英知)の集合がうまく学習者に伝えられる仕組みが出来上がれば、どんなにいいことだろう。
参考にはなるはずだ。もちろん、理論を優先して研究することも違うベクトルとして有りだ

ISBN:978-4-487-16652-7
毎回、見開く毎に完結する話題なのでテキストとしては見やすい
テキスト(指導要領や紙面のスペース)の関係か、著者の経験上の有無の問題か、コードに落とし込めない内容に関しては実ではなく概念で終了しているが
現代的な話題や事例も多く、こちらが概念すらよく分かっていない分野もあったので勉強になった。

ISBN:978-4-536-10715-0
1つの動的なWebサイトを作ろうとしている。著者の中に経験者がいるのではないかと思える構成である
昔ながらのSESの仕事を経験しているかの様だ。内容はクラシックな話題が多かったが、ITに関して教養も何もなかった当時に学びたかった
こちらはプログラミングを(完成まで)して形に残そうという意志を感じる

ISBN: 978-4-407-20528-2
こちらはより教科書的(理論や概念的)ではあるが、ExcelやHTML、Pythonを活用して形にしている。
特にコード化してこなかった話題がPythonで表記されているので必要に応じて参考にしたい。
執筆者が数名なのでテキストの味は統一感があるように感じた

どの書籍も特徴がありそれぞれ良し悪しはある
個人的にはITは道具であると考えているので、正直、どの言語やどのアプリケーションを使うかは重要ではない
概念を知れれば、目的によって必要なときに使い方は調べていくことが出来るだろう
概念の存在を知るだけでもよい

ただ、世間で相対的に利用されているツールというのはあって、利用ユーザーが少ないツールを扱っても有難みが少ないこともあって、
その時代に流行っているツールで解説するのは概念とは別の話だが体感的な理解が得やすいのだろう。
見るべきは理論と形にすることだとは思うのだが致し方ない。今はたまたまPythonというだけかと

ちなみに教科書というのは価格が決まっているが、所謂、市販のテキストよりは価格が抑えられている。
消費という観点ではITの書籍は1冊、2,000円~3,000円はするイメージなので、教科書というのはコスパはよい
正直、迷ったら大人買いできるレベルなのだ。

目的にもよるがプログラミング言語を学ぶならばオフィシャルドキュメントはある。精度や信頼性は定かではないがコードの実践例も個人投稿者からネットに山ほど情報は転がっている。
一方で、プログラミング言語よりも広いITの概念を体系的に学ぶのであれば教科書はよいだろう。前述したが市販(一般)のテキストはあまり必要がなくなってきた時代である

今回、情報以外のテキストも読んでみたが、学校教育で難しいのはビジネスだろう(起業して売上を上げること)
ビジネスは人の目的として実例となるが、情報2のテキストを読んでも何のためにそのIT技術を使ったのか、完成品のオブジェクトがあるのかまでは触れられていない
従って、動機が弱いのである。これは情報2のテキストによらず、全ての科目に言えることだが・・・。
もちろん、レイヤーとしてビジネスと教養や理論、お金とは関係のないところでの学習は純粋な学問、捉え方として必要なことではある
一方でほとんどビジネスを触れられないのは、学校の先生という職業が仕組上、売上を上げられなくても成り立つ仕事だからだろう。
教員免許をとったら新卒から先生であることを考えると、所謂、法人としての会社に所属してきた先生は中途採用でもない限り少ないのではないか?
ただ、学校の先生は想像以上にすることがたくさんあり、過酷な労働環境の中で働いていることを聞いているので、そこまでの役割を負わせることも酷ではある
一方で起業家という人というのは限られてくるので原体験を知ることが難しい
そういう意味では学校で学んだことが全てとは限らない。経験が理論となる場合も考えれば、そこには選択の理由(動機)があるはずだ。そこにビジネスまで繋がった活きた実学がある 必ずしも、学校で学んだことをそのまま使用しなくても、まったく違う方向から新たに構築してもいいのだ。

随分、前置きが長くなってしまったが、一から科目を学ぶ人が、これ何の役に立つのか?と疑問はもっともであって、
教科書(市販のテキストに限らず)を受け身で読んだだけでは、自分でコードを書くことは不可能だろう。
自分はじゃあ何か書いてといってもコードを書くことが出来なかった。そこには目的や理由がなくそのために何をしたいかが明らかでないからだ。
本来は全て自分で考えないと辿り着けないハズなのだ。テキストは著者が作った結果であって読み手の結果ではない
如何に自分で白紙から実践をするかだ。

少し古いが、他にもMOOC(Massive Open Online Course)を活用する手立てはある
所謂、教育工学によるアプローチだとは思うが、基本的に無償でオンラインを通して学ぶことが出来る

JMOOC

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  • 最終更新: 2024/05/19 05:22
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